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2017.04.24 Monday

広島電鉄800形[その4−おまけ]

最初に断っておくと、私は電車(鉄道)に関しては完全に趣味として興味を持っているにすぎず、業務上の情報等を知る立場にはありません。私の情報源といえば、趣味誌に掲載される豊富で詳細な記事や、インターネットに限られます。ということで、以下の内容はあくまで趣味人としての勝手な認識であり、情報の正確さは保証しない旨、ご承知いただければと思います。

 

これまで路面電車を3Dプリンタで何種類か作ってきましたが、こと屋根上機器については、全国の事業者で比較的同じようなものが採用されており、3Dデータの使いまわしができるのが楽な点です。

 

例えばこれは、三菱電機のCU-77という冷房機です。容量違いなのか、サフィックスに何種類か存在するようです。

続いてこれは、CU-77と組み合わせて使用される補助電源(SIV)です。岡山電軌や熊本市電によく使われる富士電機の冷房機は架線電圧のDCで直接駆動されるため専用の補助電源は存在しませんが、三菱電機の冷房機はAC駆動のため補助電源が必要となります。角型とかまぼこ型の違いは私にはわかりません。角型のほうはガルウィング?のように蓋が開くのでしょうね。

とすると、広電800形の屋根のもうひとつ載ってる第3の箱は、いったいナニモノなんでしょうか??

第3の箱

 

鉄道ファン1984年4月掲載の新車記事を読むと、補助電源と第3の箱をまとめて「補助電源」と示した写真が載っています。補助電源の箱に入りきらない部品が分散配置されているのでしょうか。にしては、広電の他の形式(例えば700形)に第3の箱はなく、説得性に欠ける解釈です。また、補助電源と第3の箱は屋根上でぴったり隣接しており、あたかも一体の箱のように見えなくもありませんが、真横から見るとわずかな隙間があり、やはり別体の箱であることが分かります。

 

真横から見ると隙間がある(左:補助電源、右:第3の箱)

 

「広電の他の形式には第3の箱はない」と書いたばかりですが、正確には誤りで、元祖軽快電車の3500形にはこれに似た箱が載っています。同時期に登場した長崎電軌2000形にも載っています。鉄道ファン1980年10月号の新車記事を読むと、長崎電軌2000形を例にまたまた補助電源と第3の箱をまとめて「補助電源」と示した写真が載っています。記事を書いた方も混同されているのかも知れませんが、これにだまされてはいけません。広電3500形の屋根上を見ると、B車連結面側に載っている富士電機の銘板が貼られた箱が補助電源のはずです(あくまで冷房機は直接駆動で、補助電源は制御、照明用とのこと)。第3の箱はA車連結面側に載っている別の箱です。ここで分かるのは、第3の箱の断面形状は、軽快電車設計時に冷房機や補助電源と意匠を揃えるために決められたということでした。

 

むかし保育社から刊行され、いまではNEKOから復刻されている「私鉄の車両3広島電鉄」に、答えがありました。冷房改造全盛期とあってか冷房機器の詳しい記事があり、そこで3500形屋根上機器についても図示されています。補助電源ではなくA車側に搭載された箱には「フィルタリアクトル、コンデンサ」というキャプションがありました。同じページの他の図では冷房機の凝縮器をコンデンサと記載しており非常に紛らわしいのですが、3500形の場合はフィルタコンデンサのことだと考えてよさそうです。また、同書の800形解説記事には「フィルターリアクトルなどを納めた第3の箱」という記載も出てきます。広電3500形、800形、長崎電軌2000形に共通するのはいずれも三菱電機の電機子チョッパ車だという点で、このような箱の中に必要な機器を納めたものと考えれば納得もいきます。(本記事の最初から使っている「第3の箱」という表現は、この本から拝借したのでした)

 

 

ところが、この箱を積んだ車両は、他にも2形式存在します。札幌市電の8500形シリーズと3300形です。外観上は、雪対策なのか左右2か所ずつの肩部の開口部が開いていないところや、長手方向の寸法がやや異なるようですが、それ以外はほぼ同じに見えます。

 

8500形はやはり三菱電機のVVVFが搭載されている車両で、電機子チョッパ同様ノイズ対策が必要でしょうから、この箱の中にはフィルタリアクトルとコンデンサが収納されていると考えてもよさそうです。参考までに、初のVVVF車両と言われている熊本市電8200形も同じく三菱電機のVVVFですが、コンデンサが屋根上の箱内にSIVと一緒に、リアクトルが運転席床下にそれぞれ分散配置されており、今回取り上げた第3の箱はありません。

 

札幌市電8520形に搭載された第3の箱

 

ここまではいいのです。ここまでは。

そうすると、抵抗制御車である札幌市電3300形の屋根上にある第3の箱の中身は一体なんなのでしょう?

 

単なる車内への通風口だというのが、いまのところの私の推理です。というのも、冷房車であるポラリスは別として、3300形以外の札幌市電は全て前面に巨大な通風口を持ちますが(屋根上にないのは、雪対策なのでしょう)、3300形にはそれがなく、どこかから外気を室内に導入する必要があります。それにはもう、屋根上に設置された第3の箱しかないように思います。通風用の箱を新たに設計するまでもなく、8500形シリーズにも使われている部品をあてがって共通化を図ったのでしょうか。第3の箱の片側端面には口がなく、そちらを前に走るときには外気が入りそうにありませんが、ラインフローファンで強制的に換気ができるのかもしれません。真相はいかに?

 

札幌市電3300形に搭載された第3の箱

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